パキスタンにおけるバイク事情【2018年最新】
2018/08/12
パキスタンのバイク統計データ(保有台数など)
面積 | 803,940㎢ |
人口(2017年統計) | 207,770,000人 |
バイク保有台数(2014年統計) ※環境省調べ |
10,771,000台 |
バイク普及率 | 5% |
年間新車販売台数(2016年統計) ※NNA ASIA調べ |
1,630,735台 |
二輪年間生産台数(2016年統計) ※中国メディア・今日頭条調べ |
2,200,000台 |
パキスタンの面積や人口
パキスタンの面積は世界34位、人口は5位です。日本の2倍以上の国土をもち、そこに1.7倍ほどの人が住んでいることになります。
パキスタンのバイク保有台数
バイク保有台数は、日本の1,121万台と同規模であるといえます。
パキスタンの二輪年間新車販売・生産台数
販売台数は163万台で、日本の35.7万台と比べると市場規模はおよそ5倍です。
生産台数は220万台で、日本の64.7台と比べると3倍以上です。
パキスタンを代表するバイクメーカー
パキスタンを代表するバイクメーカーには、
スーパースター、UNIQUE、アトラスホンダ、ヤマハモーターパキスタン
などがあります。
パキスタンの人気車はこれ!
ランク |
車種 |
年間販売台数 |
1 |
ホンダ・CD70 |
‐ |
2 |
ホンダ・CG125 |
- |
3 |
スーパースター・SP70 |
- |
4 |
UNIQUE・UD70 |
- |
5 |
ヤマハ・ドゥーム70 |
- |
6 |
ヤマハ・Junoon100 |
- |
7 |
ホンダ・CD100/ホンダ・Pridor |
- |
8 |
UNIQUE・UD100 |
- |
9 |
ヤマハ・YBR125 |
- |
10 |
ヒーロー・RF70 |
- |
※2016年統計:Web.pk調べ
ホンダ・CD70
画像出典:Web.pk
パキスタンにおいてもホンダが最も人気で、TOP10に3車種がランクインしています。UNIQUEやスーパースターといった地場メーカー、インドのバイクメーカーであるヒーローから発売されている車種も見られます。
ぽこけんのバイクで世界旅行 その46 パキスタン編 Pakistan Motorcycle Tour
経済成長、人口増加が著しいパキスタンですが、広大な自然もたくさん残っていることがわかります。こんな美しくて壮大な景色の中でツーリングできるなんて最高ですね。
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パキスタンのバイクや道路の特徴
パキスタンのバイクや道路の事情について、ご紹介していきたいと思います。
パキスタンの特徴①:女性のバイク乗車はタブー視される
イスラム教のパキスタンでは、女性のバイク乗車はタブー視されています。
運転を禁ずる法律はないのですが、束縛的な伝統や文化が今もなお根強く残っている国です。家族の男性の同伴がなければ外出はできず、ほとんどの女性が学業や仕事をもつことを禁じられています。
イタリアのピアッジオグループも女性向けモデルを発売
イタリアの二輪メーカー・ピアッジオは近い将来、女性が二輪車を運転することを見越して高級スクーターの発売をはじめました。価格は30万パキスタンルピー(約30万円)で、地場二輪メーカーのラビ・グループを通じて輸入・販売されます。
パキスタンの特徴②:シェアの半分はホンダ、半分は地場系メーカー
パキスタンの二輪市場では、50%以上をホンダ(現地名アトラスホンダ)が占めています。
ホンダの二輪車販売台数は約100万台で、日系ではヤマハ、スズキは数万台程度にとどまっています。カラチ市、シェクプラ市にはホンダの大規模な工場があり、従業員約3,900人を抱えています。
パキスタンは日本車信仰の国
自動車においては、世界一の日本車比率を誇る国として知られています。
そのシェアは95%で、1年間に売れた韓国車はたったの1台といわれています。新車販売における日本車の比率はほぼ100%で、確固たる地位を築いています。パキスタンの国民は、「安くて良いもの」よりも「高くても自分が信頼しているブランド」を選択するため、バイクではホンダが売れているものと思われます。
中国メーカーとのし烈な争いも
パキスタンのバイク産業は二極化しています。
中国の部品を輸入して現地で組み立てる形態、日本の技術を使って現地生産する形態です。これにより、日本メーカーと中国メーカーが争っている状況が生まれています。背景には、パキスタンの輸入関税は65%と高いことが挙げられます。
パキスタンの特徴③:シンド州にはヤマハの工場が建設されている
画像出典:ヤマハ公式サイト
ヤマハは、2015年にパキスタンの二輪車製造工場を完成させています。
シンド州カラチ市のビンカシム工業団地に20万㎡の土地を確保、1万7,000㎡の工場建屋を建設しています。従業員は約200人、2015年時点の生産能力は年間4万台ですが、2020年には年間30~40万台まで拡大する予定となっています。
地場メーカーのダウッドグループと合併契約
ヤマハは、1975年にダウッドグループと合併契約を締結していました。2008年に合併契約を解消していたものの、2012年まで技術支援契約によりダウッドグループによるヤマハ二輪車は継続されていました。以降はパキスタン再進出を果たし、ヤマハモーターパキスタンを設立して工場を建設したのです。
パキスタンの特徴④:実際の市場では200万台を超える
パキスタンの販売台数は、実際には200万台を超えるといわれています。
統計上では163万台でしたが、反映されていない地場系のメーカーも多く、これを大きく上回っているとの見方が強いようです。この数値は、バイク王国であるタイをも上回っています。
治安回復や中国インフラ支援による経済成長が大きな要因
テロの多いイメージのあるパキスタンですが、パキスタン当局の対テロ掃討作戦が行われ、治安がかなり回復しています。また、中国のインフラ支援により停電が解消されています。こうした背景によりGDP成長率が急伸していて、バイクの販売も年々増え続けています。
世界のバイク事情
国名 | 人口 | バイク普及率 | バイク所有台数 (百万台) |
バイク販売台数 (百万台) |
中国(電動+ガソリン) | 13.9億 | 20% | 282.4 | 48.0 |
インド | 13.1億 | 12% | 155.0 | 20.2 |
アメリカ | 3.3億 | 3% | 8.7 | 0.5 |
インドネシア | 2.6億 | 29% | 76.4 | 5.6 |
ブラジル | 2.1億 | 6% | 13.1 | 1.4 |
パキスタン | 2.1億 | 5% | 10.8 | 1.6 |
ナイジェリア | 1.9億 | - | - | 1.4 |
ロシア | 1.5億 | 1% | 2.0 | 0.1 |
メキシコ | 1.3億 | 2% | 3.0 | 0.7 |
日本 | 1.3億 | 9% | 11.2 | 0.4 |
フィリピン | 1億 | 5% | 5.3 | 1.3 |
ドイツ | 0.8億 | 7% | 6.1 | 0.1 |
タイ | 0.7億 | 30% | 20.5 | 1.8 |
フランス | 0.6億 | 5% | 3.0 | 0.3 |
イタリア | 0.6億 | 14% | 8.5 | 0.2 |
スペイン | 0.5億 | 11% | 5.0 | 0.2 |
台湾 | 0.2億 | 58% | 13.7 | 0.9 |
中国のガソリンバイク・電動バイク内訳
中国(ガソリン) | 13.9億 | 6% | 82.4 | 8.0 |
中国(電動) | 13.9億 | 14% | 200.0 | 40.0 |