車検切れ運転するな！対処法や罰則・事故時の賠償、4つのまとめ

2016/07/06 2016/07/30

中古車の怖いウワサ第5弾：『車検切れ』

さて、いよいよ本格的に夏になって、連日猛暑が続いています。こんな暑い時期こそ本シリーズが求められていると思ったので、今回は中古車にまつわる怖い話をさせていただきたいと思います。

今回のテーマは「車検切れ」です。

今このテーマを見て自分には関係ないと思いませんでしたか？実は誰の身の回りでも起こり得ることなので、こういうケースもあるのだと知っておいても損はないと思います。

１．【罰則】車検切れの車に乗るとどうなるのか？

それでは、車検切れの車やバイクに乗っていた場合、どうなるのでしょう？

これには認識していなかった場合とそうではない場合によって処分が分かれます。

車検切れを認識していなかった場合

結論から言うと、車検切れの自動車やバイクを運転しても過失罰規定がない（刑法第三十八条が適用になる）ので罪には問われません。ただし、車検切れから何か月も経過していて、明らかに故意であると認められた場合には罰則を受けてしまいます。

では、違反の中でもメジャーなスピード違反と比較してみましょう。スピード違反では本来、過失であったとしても道路交通法百十八条2によって、3ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金と定められているのです。

しかし、交通反則通告制度（軽微な違反であれば簡単なペナルティで良いですという制度。反則金制度とも呼ばれる。）の対象となっているために違反切符と反則金の支払で免除されているのです。

ただし、車検切れで取り締まりを受けた場合は、そこで車検切れということを認識してしまっているので、自宅へ帰る際には運転して帰ることは出来ません。

車検切れを認識していた場合

6ヶ月以下の懲役又は30万円の罰金、違反点数は6点となってしまいます。つまり、即免許停止となってしまいます。

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２．車検切れに気づいた場合の対処

自分の乗っている車の車検が切れていたということに気づいた場合、その場で即違反？と不安になっている方も多いと思います。しかし、車検が切れているというだけで公道に出て運転しなければ何ら問題はないので安心して下さい。

「車検切れの場合どうしますか？」いきなり車検クイズ！！

しかし、問題はそこからどのように対応するのかということですが、いくつか方法があります。どの方法が適切でしょうか？？（複数回答可）

運輸支局まで運転して車検を受けに行く
普通に乗っておく
レッカーで自動車販売店や運輸支局まで運ぶ
車検切れだと言うことを黙って引き取ってもらう
自治体に申請して仮ナンバーを取得してから乗る
面倒だし古くなってきたから買取りもしくは廃車にする

さて、正解を発表したいと思います。

答えは３・５・６です！

レッカーで自動車販売店や運輸支局まで運ぶ

まず、③に関しては保険が適用にならないのでお金が必要になってしまう方法（JAF会員なら別）ではありますが、こちらでも問題ありません。または、知り合いの車にけん引してもらうというのも正解です。

自治体に申請して仮ナンバーを取得してから乗る

⑤の仮ナンバーを取得する方法ですが、お住まいの地域にある市役所や最寄りの運輸支局へ行って車検証、認印、運転免許証、自賠責保険証（保険が残っていなければ自動車販売店や保険会社、運輸支局にて取得可能）を持って行き、手続きをすれば取得可能です。

料金は750円（自治体によって違う可能性あり）で、期間は5日間程度限定となっているので注意が必要です。

①「運輸支局まで運転して車検を受けに行く」は認識しながら公道を走っている上に事故に遭えば大変ですし、②や④は論外なので絶対にしてはいけません。

もう少し詳しく知りたいという方は、細かく説明している動画を参考にしてみて下さい。

仮ナンバーを取得する時の説明（動画ではバイク）

面倒だし古くなってきたから買取りもしくは廃車にする

⑥の車が古くなってきたから買取ってもらったり廃車にしてもらったりするというのもひとつの手段だと言えます。ましてや乗っていない車をそのまま維持し続けるとなると、実は自動車税も必要となってしまいますし、価値も下がって行ってしまいます。

ですので、一括査定を利用してより高く買取ってもらうというのも維持費の面や現金をもらえるという意味でもお得な方法だと思います。もし、買い手がみつからないような車種・過走行・低年式の場合、廃車買取りの一括査定と併用するのも良いと思います。

車自体に国内で需要がなかったとしても、海外では人気ということもありますし、鉄自体の価格もここ数年で上がってきているので方法によってはお金を出して処分というよりも、お金をもらって処分ということも可能なのです。

３．車検切れで事故を起こしてしまったら？

さぁ、ここまで来たらあとは車検切れの車に乗っていて事故を起こしてしまえばどうなるか？という疑問ですよね。

怖～い処分が待っている

予想通りの結果ですが、厳しい処分が待っています。それに、車検が切れているということは保険が適用になりません。つまり、相手への補償も全て実費で、ということになってしまうのです。

刑事的な話をすると、

・車検切れ車両の運行…違反点数6点、6ヶ月以下の懲役、30万円以下の罰金

・無保険車運行（自賠責保険切れ）…違反点数6点、6ヶ月以下の懲役、50万円以下の罰金

つまり、これらをダブルで行う行為であり、違反点数12点、懲役12ヶ月以下、80万円以下の罰金となってしまいます。

車検に必要な数万円～数十万円というお金をケチってしまったばかりに、下手をすると何億という賠償や重い罰則を受け、一生かけて支払っていかなければならなくなってしまうのです。

実は車検切れで事故に遭っている人は意外と多い

そして、車検切れの車に乗っていて事故を起こしてしまうというケースも意外と多く、法律の相談などにもそういった案件をよくみかけます。ましてや事故に遭ってしまった場合、特に物損なんかでは被害者は泣き寝入りさせられてしまう（相手に支払能力がないため）ケースもよくあるようです。

つまり、自分のためにも相手のためにも車検を受けて保険に入るということは、自動車に乗る者としての最低限のマナーなのです。

対人に関しては、車検切れや自賠責保険切れ以外のひき逃げのようなケースでも、『政府保証事業』という法定限度額の範囲内にて損害をてん補してくれる制度があります。政府保証事業は損害保険会社（組合）にて受付を行っています。

４．「車検切れ」民間ではなく行政での実際にあった怖い実話

実は、私たちが知らないだけで車検切れの車で走行しているというケースはこんなところにも及んでいたのです。これらのケースが実際に起こっていることを考えると本当に背筋が凍りそうですね…。

怖いケース1：市議会議員が車検切れで事故

こちらは市議会議員が車検切れの車を運転、一方通行を逆走して女性に重傷を負わせてしまうという恐ろしい事件が起こっていました。

車検切れで事故（実際のニュース）

真偽が定かではありませんが、不起訴と言うことでネットでも話題を呼んでいたようです。

怖いケース2：高速バスが車検切れだった…

つい最近のニュースですが、東京―名古屋間を運航している高速路線バスにて、実は車検切れの車両を使用していたという事件がありました。処分としては当該車両の60日間の使用禁止が言い渡されました。

出典：産経ニュース

恐らく管理面での不備だと思いますが、自分が乗っていたかもしれないと思うと恐ろしいですよね…。

怖いケース3：まさかの救急車まで車検切れ！？

こちらも最近のニュースです。

車検切れの救急車を1ヶ月間走行して患者を搬送していたようです。警防部の係長他3人が戒告の懲戒処分と消防局長ら8人を口頭厳重注意、文書訓告、車両運転者13人を指導の服務処置としたようです。

車検切れの理由としては、車検や定期点検の年間予定表などに時期を誤表記していたことが原因と見られています。