イタリアにおけるバイク事情【2018年最新】
2018/08/05
高級ブランドやイタリア料理、ラテンなイメージのあるイタリア。
しかし、文化や観光地などが紹介されることは多いですが、バイク事情を詳しく知ることは難しいですよね。そこで今回は、イタリアの基本情報をはじめ、バイクや道路事情までご紹介していきます。
イタリアのバイク統計データ(保有台数など)
面積(2016年統計) | 301,230㎢ |
人口(2017年統計) | 59,797,977人 |
バイク保有台数(2014年統計) ※一般社団法人「日本自動車工業会」より |
約850万台 |
バイク普及率 | 14% |
年間新車販売台数(2017年統計) ※Motociclismo(イタリア誌)調べ |
約20.4万台 |
二輪年間生産台数(2012年統計) ※MARK LINES調べ |
約33万台 |
イタリアの面積や人口
イタリアは、日本と比べて国土面積が約5分の4、人口は約半分となっています。
人口規模はヨーロッパで第5位、国土面積では12位です。イタリアの首都は人口286万人のローマで、イタリア最大の都市圏人口を有する人口135万人のミラノも有名です。(都市圏人口は526万人)
イタリアのバイク保有台数
イタリアは、ヨーロッパの中では最も保有台数が多い国となっています。日本のバイク保有台数は1,121万台ですが、イタリアの人口は日本の約半分であることを考えると、1人あたりのバイク保有率がかなり高いことがわかります。
イタリアの二輪年間新車販売台数
ヨーロッパ全体では134万台の規模をほこっていて、イタリア単体ではフランスの25.1万台に次いで2番目に多い数です。日本の新車販売台数はイタリアの3倍に相当する59.7万台なので、イタリアの二輪市場は普及が進んで成熟されているのかもしれません。
イタリアの二輪年間生産台数
ヨーロッパ全体では最も多い生産台数で、BMWで有名な2位のドイツ(10.1万台)と比べても約3倍と、大きく引き離しています。日本の年間生産台数が59.7万台なので、人口の違いを考えると日本と同規模であることがわかります。
イタリアを代表するバイクメーカー
イタリアを代表するバイクメーカーには、
アディバ、アプリリア、イタルジェット、MVアグスタ、ゲッツィ&ブリアン、ジレラ、ディブラッシ、ピアッジオ、ベータ、ベネリ、モト・グッツィ、モト・モリーニ、FBモンディアル
などがあります。
イタリアの人気車はこれ!
ランク | 車種名 | 年間販売台数 |
1 | ホンダイタリア・SH150 | 11,184台 |
2 | ホンダイタリア・SH300 | 9,768台 |
3 | ホンダイタリア・SH125 | 9,685台 |
4 | ピアッジオ・ビバリー300 ABS | 7,384台 |
5 | ヤマハ・XMAX300 | 5,289台 |
6 | KYMCO・アジリティ125 R16 | 4,451台 |
7 | ピアッジオ・リバティ125 ABS | 4,321台 |
8 | ヤマハ・TMAX500 | 4,164台 |
9 | ピアッジオ・ビバリー350 | 4,093台 |
10 | BMW・R1200GS | 3,755台 |
※2017年統計:Motociclismo(イタリア誌)調べ
ホンダのSHシリーズだけで、イタリアの上位を独占しています。
海外ツーリング:ヨーロッパ 女一人ソロツーinイタリア Passo Gavia
イタリアのガーヴィア峠を走る様子が撮影されています!
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イタリアのバイクや道路の特徴
イタリアのバイクや道路の事情について、ご紹介していきたいと思います。
イタリアの特徴①:排気量別では800~1,000ccが人気
イタリアでは、800~1000ccクラスのバイクが人気です。
ヤマハ・トレーサー900や700、DUCATI・マルチストラーダ950といったツーリングモデルなどのセールスも好調です。イタリアは山が多い地形で、国境を越えた陸続きの高速道路が果てしなく続き、制限速度は130km/h、高速料金も日本と比べて格安です。
1,000ccを超えるとパワーを持て余すほか、山道や林道での取り回しが悪くなり、維持費も増えてしまいます。こうした理由により、イタリアでは800~1,000ccクラスが手ごろなサイズなのかもしれません。
イタリアの特徴②:スクーターが市場の60%を占める
イタリアのバイク市場は、スクーターがおおよそ60%を占めています。販売台数は12.1万台で、50ccクラスはわずか2.3万台となっています。
スクーターの中で最も人気のある排気量は300~500ccで4.2万台です。日本でいうところのビッグスクーターの人気が上がってきていることが原因であると考えられますが、これはヨーロッパ全体の傾向といえます。
イタリアの特徴③:カテゴリ別ではネイキッドが人気
現在のイタリアではスクーターを除くと、ネイキッドが最も高い人気をもっています。
イタリアでは、ここ数年でネイキッドの人気が高まっています。年間販売台数を比較しても、2017年度は前年度よりも15.9%も販売台数が増えています。台数としても3.1万と多く、スクーターを除いた年間販売台数は8.3万台なので、37%ものシェアがあることになります。
これは、日本メーカーネイキッドの新モデルが発売されたことが要因と考えられます。
イタリアの特徴④:スクーターはホンダが独占状態
イタリアのスクーターの販売台数は、ホンダのSHが独占状態です。
ランキングでは、1位がSH150、2位SH300、3位SH125となっていて、販売台数は、順に11,184台、9,768台、9,685台となっています。
あまり日本では馴染みのないSHシリーズですが、イタリアでは1984年から発売されているロングセラーモデルです。「Small Honda」の略が名前の由来で、コンパクトでファッショナブルな外観が特徴です。
このSHシリーズだけで3万台を売り上げていて、イタリアのスクーター市場の4分の1を占めています。
イタリアの特徴⑤:高速道路の料金が安い
イタリアは、高速道路の料金が安いという特徴があります。
日本と比較して3分の1程度で、約480kmの距離でも3,600円(28ユーロ)ほどです。日本では1kmあたりの平均価格が24.6円なので、11,800円となっています。大排気量モデルが普及しているのは、高速道路料金の安さも関係しているのかもしれません。
ただし、入口で発行されるチケットを紛失すると高額な料金を請求されるので注意が必要です。
最後に
今回は、イタリアの基本情報をはじめ、バイクや道路事情までご紹介してきました。
イタリアにはバイクメーカーが多いものの、現地であっても決して販売台数は多くなく、ここでも日本のバイクメーカーが普及しています。これはやはりイタリアメーカーのバイクは価格が高く、手を出しにくいことが原因なのかもしれません。
世界のバイク事情
国名 | 人口 | バイク普及率 | バイク所有台数 (百万台) |
バイク販売台数 (百万台) |
中国(電動+ガソリン) | 13.9億 | 20% | 282.4 | 48.0 |
インド | 13.1億 | 12% | 155.0 | 20.2 |
アメリカ | 3.3億 | 3% | 8.7 | 0.5 |
インドネシア | 2.6億 | 29% | 76.4 | 5.6 |
ブラジル | 2.1億 | 6% | 13.1 | 1.4 |
パキスタン | 2.1億 | 5% | 10.8 | 1.6 |
ナイジェリア | 1.9億 | - | - | 1.4 |
ロシア | 1.5億 | 1% | 2.0 | 0.1 |
メキシコ | 1.3億 | 2% | 3.0 | 0.7 |
日本 | 1.3億 | 9% | 11.2 | 0.4 |
フィリピン | 1億 | 5% | 5.3 | 1.3 |
ドイツ | 0.8億 | 7% | 6.1 | 0.1 |
タイ | 0.7億 | 30% | 20.5 | 1.8 |
フランス | 0.6億 | 5% | 3.0 | 0.3 |
イタリア | 0.6億 | 14% | 8.5 | 0.2 |
スペイン | 0.5億 | 11% | 5.0 | 0.2 |
台湾 | 0.2億 | 58% | 13.7 | 0.9 |
中国のガソリンバイク・電動バイク内訳
中国(ガソリン) | 13.9億 | 6% | 82.4 | 8.0 |
中国(電動) | 13.9億 | 14% | 200.0 | 40.0 |