スペインにおけるバイク事情【2018年最新】
2018/08/05
日本からの距離はあっても、知名度の高いスペイン。
フラメンコや闘牛、パエリアやイベリコ豚、陽気でラテン気質など、文化、料理、人のイメージも鮮明です。しかし、スペインのバイク事情まで知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、スペインの道路事情や販売台数の多いバイクなどを紹介していきます。
スペインのバイク統計データ(保有台数など)
面積(2016年統計) | 504,782㎢ |
人口(2016年統計) | 46,529,430人 |
バイク保有台数(2014年統計) ※一般社団法人「日本自動車工業会」より |
約503万台 |
バイク普及率 | 11% |
年間新車販売台数(2014年統計) ※Soymotero(スペイン誌)調べ |
約15.9万台 |
二輪年間生産台数(2012年統計) ※MARK LINES調べ |
約4.4万台 |
スペインの面積や人口
スペインの面積は504,782㎢で、人口は46,524,943人(2016年統計)です。
西ヨーロッパではフランスに次いで2番目に大きな国で、日本の約1.3倍の国土面積をもちます。スペインの首都は人口約325万人(都市圏人口は541万人)のマドリードで、ヨーロッパでは5番目の規模を誇っています。マドリード以外には、観光地のバルセロナが有名です。
スペインのバイク保有台数
ヨーロッパの中ではイタリア(850万台)、ドイツ(588万台)に次いで3番目に多い台数です。日本(1,121万台)の1/3ほどの人口であることを考えると、日本よりバイクが普及していることがわかります。
スペインの二輪年間新車販売台数
ヨーロッパ全体では134万台の規模があり、スペイン単体としてはフランスの25.1万台、イタリアの18.4万台、ドイツの17.5万台に次いで、4番目に多い台数となっています。
スペインの二輪年間生産台数
ヨーロッパ全体では63.2万台を生産、イタリア、ドイツ、オーストリア、フランスに次ぐ5番目に多い台数となっています。しかし、2005年には24万台の生産があったため、10数年で大きく落ち込んでいるといえます。日本は59.7万台で、たった1国でヨーロッパ全体に匹敵する生産台数があることがわかります。
スペインを代表するバイクメーカー
スペインを代表するバイクメーカーには、
オッサ、ガスガス、シェルコ、チスパ、デルビ、ブルタコ、ホタガス、モンテッサ・ホンダ、リエフ、レオンアート
などがあります。
スペインの人気車はこれ!
画像出典:FórmulaMoto
ランク | 車種名 | 年間販売台数 |
1 | ホンダ・SHスクーピー125 | 6,181台 |
2 | KYMCO・アジリティシティ125 | 5,770台 |
3 | ホンダ・PCX125 | 5,389台 |
スペインにおける2017年度のベストセラーモデルは、ホンダ・SHスクーピー125です。2位にKYMCO・アジリティシティ125、3位にホンダ・PCX125が続きます。
大型バイクでは、ヤマハ・MT07が首位で(全体では15位)、2位にBMW・R1200GSが続きます。
スペイン人の満足度が高い「カワサキ車」
画像出典:カワサキ公式サイト
販売台数こそホンダ・ヤマハに比べて少ないですが、スペイン人の「お気に入りバイク」としてカワサキのZ900が3位(販売台数は22位)、Z650が4位(販売台数は24位)を占めています。
スペインツーリング
キレイな映像とはいえませんが、スペイン郊外の開放的な景色が美しいです!
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スペインのバイクや道路の特徴
スペインのバイクや道路の特徴について、ご紹介していきます。
スペインの特徴①:MotoGPではスペイン人が活躍している
MotoGP(ロードレース世界選手権)では、スペイン人ライダーが活躍しています。
以前は「レーサー不毛の地」であったスペインでしたが、1992年のオランダGP優勝を皮切りにスペイン人ライダーが目覚ましく活躍しています。現在では、ポイントランキングのトップ圏内に6人ものスペイン人ライダーが入っています。
MotoGPでは日本製マシンとスペイン人ライダーの組み合わせが、成功の秘訣といわれています。
●ホルヘ・ロレンソ
●マルク・マルケス
●ダニ・ペドロサ
●マーベリック・ビニャーレス
●アルバロ・バウティスタ
●ポル・エスパルガロ
スペインの特徴②:スペインでは125ccまでのスクーターが人気
スペインでは、125ccクラスのスクーターに人気があります。都市部での取り回しの良さに加えて、300万人といわれる自動車免許証をもつ人々も乗ることができるからです。
しかし、スペインでは50ccスクーターの人気は今ひとつで、日本では60%を占めているもののスペインでは10%以下となっています。ヨーロッパではフランスが最も50ccスクーターの人気が高く、40%を占めています。
スペインは、石畳だけではなく坂道も多いことから50ccでは頼りなく、125ccが丁度良い排気量なのかもしれません。
スペインの特徴③:ホンダ・ヤマハが市場をほぼ独占
スペインのバイク市場では、日本メーカーの独壇場であるといえます。
ホンダのシェアが最も高く28,333台(約20%)で、続くヤマハが22,178台、KYMCOは15,233台となっています。スクーターを除いても、ホンダ、ヤマハ、KYMCOの順位であり、販売台数はそれぞれ8,800台、7,300台、4,181台となっています。
大型モデル専門のBMWは4位という位置づけにとどまっています。どの排気量であっても、日本勢が大きなシェアをもっています。
スペインの特徴④:中古バイクの販売台数は新車の2倍以上
中古バイク販売台数は31.7万台で、新車販売台数の13.8万台よりもかなり多くなっています。
(中古・新車販売台数ともにスクーターを除く)このうち、最も人気のある排気量はやはり125ccクラスで13万台、続いて500cc以上の大排気量モデルが12万台となっています。
スペインでも新車販売台数は伸び悩んでいて、中古バイクの方に人気が集まっています。
スペインの特徴⑤:ヨーロッパで最も長い高速道路をもつ
総延長は15,700kmあり、80%が無料で残りの20%は有料となっています。
首都のマドリードや観光都市バルセロナといった都市部を離れるほど交通量は少なく、人口が少ない地域でも高速道路が多く整備されています。無料道路と有料道路が併設された地域もあり、有料道路はほとんど走行されていないようです。
大排気量のバイクも売れているのは、こういった事情も関係しているのでしょう。
最後に
今回は、スペインの基本情報をはじめ、道路事情や販売台数の多いバイクなどを紹介してきました。
スペインの街中は石畳の狭い道や坂が多いため125ccバイクが売れていて、郊外では高速道路が充実しているので500ccクラス以上の大型排気量モデルが売れています。
スペインのバイク需要は、小排気量と大排気量の二極化が進んでいることがわかります。
世界のバイク事情
国名 | 人口 | バイク普及率 | バイク所有台数 (百万台) |
バイク販売台数 (百万台) |
中国(電動+ガソリン) | 13.9億 | 20% | 282.4 | 48.0 |
インド | 13.1億 | 12% | 155.0 | 20.2 |
アメリカ | 3.3億 | 3% | 8.7 | 0.5 |
インドネシア | 2.6億 | 29% | 76.4 | 5.6 |
ブラジル | 2.1億 | 6% | 13.1 | 1.4 |
パキスタン | 2.1億 | 5% | 10.8 | 1.6 |
ナイジェリア | 1.9億 | - | - | 1.4 |
ロシア | 1.5億 | 1% | 2.0 | 0.1 |
メキシコ | 1.3億 | 2% | 3.0 | 0.7 |
日本 | 1.3億 | 9% | 11.2 | 0.4 |
フィリピン | 1億 | 5% | 5.3 | 1.3 |
ドイツ | 0.8億 | 7% | 6.1 | 0.1 |
タイ | 0.7億 | 30% | 20.5 | 1.8 |
フランス | 0.6億 | 5% | 3.0 | 0.3 |
イタリア | 0.6億 | 14% | 8.5 | 0.2 |
スペイン | 0.5億 | 11% | 5.0 | 0.2 |
台湾 | 0.2億 | 58% | 13.7 | 0.9 |
中国のガソリンバイク・電動バイク内訳
中国(ガソリン) | 13.9億 | 6% | 82.4 | 8.0 |
中国(電動) | 13.9億 | 14% | 200.0 | 40.0 |